2011年4月19日火曜日

宮城県石巻市、南三陸町について

南坂です。
4/16、17日に我々が宮城県石巻市、南三陸町にて活動してきた事について纏めさせて頂きます。
こちらもツイッターにて(@na0kio416、@ANAFUZZ,etc)リアルタイムに報告させて頂いており、重複している部分は御座います。
今回の支援としては漫画家の山本夜羽音氏(ツイッターアカウント@johanne_DOXA)が中心として行っているおたぱっくという支援活動と連動し、集まった物資をこちらで現地にお届けしてきました。

文章が石巻市に行ったり南三陸に行ったりしますが、時間の経過で文章を進めて行こうと思います。

まず最初に我々はNGO団体ピースボートとの情報交換等を以前から行っている為に石巻市専修大学に向かいました。
石巻市にある湊小学校等の避難所になっている場所に子供向けの図書館となる様な施設を作ろうという話をピースボート経由でさせて頂いていたのですが、当日行ってみると本当に現地の状況はリアルタイムで変化してて問題が生じます。
宮城県では教育委員会により今月末、早ければ21日頃から学校を再開させようとしている為にスペースが無くなってしまう可能性があるとの事です。
しかしこの話を詳しく聞いていくとまた行政のひどい仕打ちがある事がわかりました。
学校が再開する事により各学校の教室で避難していた人は体育館に避難せざる状況へ追い込まれます。
しかし現在そういった場所で避難していた人を含め、今回動こうとしている復興を理由とする避難所の統廃合によって避難所から溢れてしまう人は約2000人いるとの事です。
行政側の裏事情としては再開を決定したが、実は避難所から溢れる人の事を考えていなかったのです。
石巻全体に言える事なのですが、僕らが3月22日から数日石巻を見た時点を考えると凄まじいスピードで復興していたのですが、お話を聞いていてその背景が見えてきました。
これはあくまでも推測であり行政の発表ではありませんが、石巻市は今後今回の被災による復興のモデルとされるのでしょう…実際にメディアでも多く取り上げられているのは石巻市が多い印象がありましたが今回行ったことにより理由がわかった気がします。
海外のメディアで高速道路の復旧の早さが取り上げられたと言った話があったりしますが、そういった面での海外に向けての情報の発信目的等があるのではと思います。
確かに学校が再開されたりする事は喜ばしい事だが、果たして犠牲者を数多く生んだ上での教育に本当に意味があるのか…今こういう時だからこそそれ以上に必要で学ばせるべき事があるのではと個人的には思いました。
復興が早い事は喜ぶべきことであり、望むことではあるが必要以上の困窮者を生んでの復興に対しては疑問を抱きます。
石巻市では今後こういった問題が多く出てくるのではと予想されます。
そういった事もあり自衛隊の数、ボランティアの数が明らかに他の地域より多い事もあり復興は非常に早い印象です。
ただそれでもまだ被害の大きい地域は瓦礫も散乱し、船や車がありえない場所にあったりします。
石巻に関してはこの日はお話を聞くだけになり、昼頃には南三陸町に向け出発しました。

おそらく今回の地震による影響と思われますが、道路の通行止めもあり色々と迂回しながら次は南三陸町に行きました。
正直に言うと南三陸町に近づき言葉を失いました…ニュースでここから見える映像を見た事あるなぁと思いながら元々中心地となっていた地点に近づいて行きましたが本当に津波の威力を感じました。
今まで何箇所か被災地を見ましたが、今まで見た中で一番津波の恐ろしさを感じたのは南三陸町でした。
高台にある建物を除き、形が残っている建物は鉄筋コンクリートで作られた団地等が本当にポツンと数件あるだけです。
その残っている建物の屋上には4階建てにも関わらず、車、更には家が乗っていたりしました。
田んぼには無数の車が散らばっていたりもしました。
そういった光景を実際に見て、一緒に行ったメンバーの中には吐き気を催し涙を流したメンバーもいました。
そういう場所を抜けながら志津川小、中、高校+ベイサイドマリーナにて一家族にお渡ししました。
どこの避難所も状況は同じであったが避難所として物資の受け入れは今はしていませんとの事でした。
そしてこれもどこの避難所に関しても同じで避難している子供に「おもちゃ欲しい?」って声を掛けたら驚く程の勢いで子供が集まってきました。
そして後には子供に限らず避難をしている大人達も集まってきました。
避難所としてもその光景を目の当たりにして我々の行動に関して黙認しているという状況でした。
中には津波で家を流され、持っていた漫画を無くしてしまったがそれを取り戻せたといった子もいました。
行政としては目に見える数で全ての判断をしていて、細かい配慮まで行き届いていないという印象をここで受けました。
皆が約一ヶ月前までは多少の違いはあれど同じ水準で生活をしていた人達なのです。
同じ本を何度も何度も読み、遊びつくしたゲームで満足しているかどうかが実証出来たと思います。
行政としてこういった物資の受け入れをしてくれないのはわかったが、反対に必要としている人が無数にいる事も今回改めてわかった。
この事に関しては写真も数多く残してあるので後日アップします。
細かい事を言うと小学生以下の子供に関してはトミカや仮面ライダーや○○戦隊○○ジャーというような物を欲しがるが、小学生以上になると大半がゲーム機を欲しがる。
贅沢と判断する方もいるかもしれないが、現代という時代を考えてもらう事も重要かと個人的には思います。
下記も同様の内容だがツイッター(@ANAFUZZ)より抜粋。
「子供も大人も娯楽に飢えていた。いい大人が子供に混じって、自分達も読めるような本や玩具を漁っていた。ボラセンなど行政側は全く分かっちゃいない。何度も言うが、彼らはつい1ヶ月前まで、俺等と同じ生活をしていたんだぜ。どこの避難所でも、本や玩具は十分と門前払い。実態は一月前に配られた本を何度も読み返さなきゃならない状態。子供のおもちゃも大人の価値観で決められた適当な物。あいつらがほしいものはPSPやDSなんだよ!平等の原則だか何だか知らないが、我慢させるなんて馬鹿げてる。」
ちなみに人生ゲームはどこに行っても欲しいという人がいました。
あとトランプは数多くあったが、麻雀を欲しいという人が多かった気がします。
荷物を提供してくれる方の善意を無駄にしない為にも集荷する側は自分の責任を持てる的確な集荷でなければいけないと再認識しました。
残念だが、漠然とした想像で動こうとすると生まれるのは現地の満足より自己満足で終わってしまうとわかりました…。
善意ある有り難い物資とは言え、世代の古い物とかだと子供達も用途が無く結果的に廃棄という結果になってしまう可能性もあるので可能な限り現地の状況を情報収集をして動く事が必要です。

暗くなってきた事もあり、この日の就寝場所とした石巻市に戻りました。
食事等も済ませ寝ようとしましたが、やはり東北はこの時期でもまだ夜中は寒いです…昼間は暖かく半袖でも良いくらいですが、夜は相当冷え込みました。

そして二日目は石巻市で二箇所動きました。
渡波保育所、鹿妻小学校という所です。
状況はいづれも同じで避難所としての物資の受け入れというより子供達に声を掛けると実際は欲しがるといった形でした。
一つ非常に心外であり虚しい事があったのでそれも記載しておきます。
我々がこういった活動をしている中で、その施設の指導者の方が我々に「子供達にこういう理由で集められた物資であり、こういった事で届けられた物だから感謝するように教えてあげてください」との事だった。
その場では軽く流したが、後に一緒に動いていた皆と話したが我々の感じた事は皆同じでした。
感謝される為に物資を持って行ってるんじゃありませんので…これは物資を提供して頂けている方も同じで感謝や見返りを求めているのでは無いだろうと思う。
更に言うのであれば本当に小さい子供も含め自発的にありがとうと言ってきていた。
いっぱいいっぱいなのは理解出来るが、こちらの意図しないそんなくだらない指導を我々に押し付けられてもなぁという感じです。

石巻市での活動を切り上げ、我々は同行していたメンバーのバンドが仙台のバードランドという場所でライブがある為に仙台に移動しました。
仙台市中心部では津波の被害は無く地震による被害ばかりである為、お店も再開している所が多かったです。
ライブ前に地元の人とも色々お話をしましたが、復興に向けて前向きに考えている事が多く感じられました。
そしてバードランドの方も数々の被災地の支援に向け動いている事を聞き、我々も出来る限り連動して動ければと感じております。

最終的な纏めとしましては協力的な避難所もありましたが、行政から指定されているような大きな避難所になればなる程物資としては受け入れてくれないといった状況でした。
しかし、実際には必要としている方は数多くいるというのが実情。
今後もこうした支援活動する意味は十分にある事を実感しました。
そして街毎の状況が違う事を再認識しました。
宮城県石巻市では復興のスピードは速いがその背景に見える困窮状況があり、同県南三陸町では石巻市に比べ復興スピードが遅い理由として行政の力の入れ方が違う事で人手が足りなかったり、福島県では原発による風評被害があったり…把握出来ていない部分でも数多く地域毎に問題は多種多様あると思われます。
こういった情報もこれから色々ネットワークを広げ、行政等の手の届かないが実は必要とされる支援を行えればと思います。
同サイトのコメント欄やツイッターを含め交流の方法はあると思いますので、各被災地で必要とされる物資の状況等があれば教えて頂ければと思います。

以上また乱文であり説明不十分な部分もあると思いますが、質問や意見、活動参加や気になる事があれば同サイトのコメント部分やツイッター上にてお声掛け頂ければ、対応させて頂くつもりですので宜しくお願い致します。

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