2011年4月1日金曜日

石巻市、南相馬市の被害状況について~石巻市

南坂と申します。
石巻市、南相馬市に自分の目で確かめ感じた事を個人的感情等も交えつつ報告しようと思います。
反感を買う言葉も中には出てきてしまうしれませんが、自分が感じたリアルを出来るだけ伝える為です。
この文章はリアルに拘りたいので自分が直接現地で感じた事、現地で聞いた声だけを参考に全てを書きます。
ニュースやメディアの情報からの情報は一切無いリアルな状況です。
しかし現地の状況はリアルタイムに変化しています。
この報告に関しては3/23~3/26までの石巻市周辺、3/29~3/30までの南相馬市周辺の報告であり、今現在の状況と考えるのでは無くあくまでも参考としてお考え下さい。
長文になってしまいますので石巻市と南相馬市を二つに分けてアップしようと思います。


まず石巻市についてです。
物資に関しては、満足の行く範囲とは言えないまでも、必要最低限は行き渡っているのが印象です。
おそらくこの状況はどこでも同じと思われます。
断続的に必要な物(食料、生理用品、etc)はこれからも必要ではありますが、今集中して届けるよりもこれを長期に渡り継続的に届けられるかどうかがこれからの問題になると思われます。
衣類等も余っていると言っても良いくらい倉庫には置いてありました。
しかし状況としては一日におにぎり一個、水一杯と言った場所も数多くあります。
原因としては、食料が足りていない事よりもそれを細かく配る人、車、炊き出しをする人が足りていないという事です。
ただし、これは避難所に限った話です。
石巻市で実際に聞いた話ですが、避難所(特に指定されている避難所)に関しては物資が行き渡るが、例えば津波により家を失った為に知人の家に住んでいる方等には物資が行き渡っていなかったりします。
理由は物資が足りていない、届けないのでは無く、どこにそのような人がいるかがわからないからだ。
さらには船等に道を塞がれ通れなくなっている道の先に残る形がある家に住んでいる人も多数いると思われる。
この様な人を探す為にも何人もの人が街を歩き回り、一件一件を呼びかけて回るくらいの事をしなければ全てを掌握出来ないと思われる。
皆、避難所に行けば良いのでは無いかと思う人もいるかと思うが、石巻市に置いては宮城県全体の避難民の3分の1が避難している状況で避難所も人を受け入れられなかったりする状況なのです。
では離れた場所の避難所に行けばと良いと考えられるかもしれないが移動する為の公的交通網は遮断され、ガソリンも無い状況で動けないのです。

現地の人たちも現実を受け入れ前向きに動こうとしている為、必要とする物資も変わってきています。
私が石巻市にいた時点では「長靴」「ゴム手袋」「パンクの修理キット」等が現地の方の声として挙がってきました。
パンクの修理キットは私も現地の声を聞いてなるほどと思いましたが、皆さんガソリンが無い為に自転車で移動をしようとします。
しかし瓦礫の上を走る事によりすぐにパンクをしてしまう為です。
こういった形で常に現地ではリアルタイムに状況が変化している為に出来る限り物資の支援に関しては最新の現地の状況を入手する必要があります。

物資に関しては以上です。


次に石巻市で自ら聞いた話では津波で被害を受け中がボロボロでも形がある建物においてはそのまま使用する人もいます。
実際に私もそういった建物(介護施設)内で津波により入ってしまった泥の掻き出しを行いました。
建物の一階部分に厚さ20cmはあるであろうヘドロが一面に満遍なく敷き詰められています。
更にはそのヘドロの中に家具が散乱しています。
こういった家具等を全て外へ出し、その上で泥を全て掻き出し、その後で全てをブラシ等を使い綺麗にする。
工程としてはシンプルで簡単に聞こえるかもしれませんが、老人用のオムツは水を吸った為に物凄く重くなり、倒れたタンスの中にも泥が大量に入り込み、一つ一つの物が通常よりも重くなっています。
更には足場もガラスが散乱していたり、ヘドロに足を取られたりと思うように行動が出来ません。
11人で半日の時間を費やし、作業が進んだのは建物の大物家具を外に出し、泥の掻き出しを何部屋が終了しただけです。
他の部隊も他の建物で同じ作業を行いましたが、一日に進むペースには限界があります。
理由としてはそういった建物がある地域は電気が通っていない為に辺り一面が暗闇に包まれたりする為です。
共に行動をしていたNGO団体の方の計算では、この泥の掻き出しを今のペースで行うと石巻市全体に残された住居だけでも十数年かかるとの事です。
この点においても言えるのは人手が圧倒的に足りないという事です。


他にも数多く伝えなければいけない事はありますが、文章をまとめるのに時間がかかる為、南相馬市の事も含めまた明日の午前中にでもアップさせて頂きます。

ただ全体的に言えるのは「人手が足りない」という事です。
この文章を見てる方で味噌汁一杯を貰い、泣きながら「暖かい、美味しい」と食べた事がある人はいるでしょうか?
今現地の人が発する「ありがとう」の言葉を聞けば本当の感謝の気持ちを感じない人はいないと思います。
現地の人は本当に物資一つ、食料一つが届く事、全ての事に心から感謝をし、電気が灯る事に感動し、生きています。
個人的な意見ですが、メディア、周りに動きに踊らされ買占めをしてる方が現地の様子を見ると、おそらく買占めをする気は失せ、自分が愚かとさえ感じる方もいると思います。
勿論現地に行く事が全てとは思いませんし、日常を保つ事は大事だと思います。
金銭面、家庭環境等の生活に害の及ばない範囲で、協力出来る事を一人一人が行って欲しいと切に思います。


以上乱文では御座いますが石巻市の状況に関しての簡単な報告とさせて頂きます。


「欲」の為では「生きる」為に助けを必要としてる方が沢山います。
今こそ皆で助け合いましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿