2013年7月30日火曜日

埼玉県内に災害公営住宅を求める署名の呼びかけ

まず、具体的な活動報告が半年以上も経過してしまった事をお詫び申し上げます。

ご報告できなかった間、双葉町の方々が今でも避難をしている埼玉県加須市、旧騎西高校避難所にて定期的に行われている脱原発さいたま市の炊き出しへ個人としての参加や音楽イベントなどを行い今後の支援などについて模索してきました。
改めて動画などを含め、ご報告していきたいと思います。

そして今回Human Recovery Projectとして、双葉町の方々による「埼玉県内に災害公営住宅の建設を求める会」及び、それに連帯する支援者側から発足した「災害公営住宅の建設をともにすすめる会」への協力と署名の呼びかけを行います。

それに伴い、署名用紙を預かっていただける方々やご協力していただける支援団体の方も募集しています。

下記の「加須ふれあいセンター」のHPからも署名用紙のダウンロードが可能です。詳細もご確認ください。
http://kazofureai.com/

まず、この署名活動への出会いは、5.19旧騎西高校避難所の炊き出しの際に避難所の方からこの活動のお話を聞き「加須ふれあいセンター」へ訪ねたのがきっかけでした。

そこでは「寄り添いステーション」日替わり300円定食として双葉の方と加須のボランティアの方が故郷の味を提供など憩いの場となっております。

この署名活動は「加須ふれあいセンター」を拠点とし、5.6双葉町の有志の方々により「埼玉県に復興住宅の建設を求める会」として発足し、約一週間で300人分の署名が集まり、要望書と共に井澤町長へ提出しました。

二年以上もの避難生活を経て、やっと慣れ親しんだ土地やコミュニティーへ留まりたいというささやかな双葉町の方々の願いです。

署名の始まりも、「埼玉にも復興住宅が欲しい」という声に、埼玉県上田知事からの「福島県から
要請があれば埼玉県も支援する」という回答からでした。

そしてこの活動をモデルとして、近隣町村への方々を対象とした署名へと拡大しました。

しかし、署名集めをするにあたり借り上げ住宅などに移り、連絡先が分からない方々
が大半な為、口コミなどで集めているというのが現状です。

借り上げ住宅の更新や賠償など、他にも問題は山積みです。

避難されている方の声が届くように、復興という形で隅に追いやられる事のないように、そして諦めてしまっている方にも私達の声が届くように、その為にもたくさんの人にこの活動が認知されるように拡散していかなければなりません。

そして今後どのような対応が国や行政から為されるのか、Human Recovery Projectとして追っていきたいと思います。

そして支援をする側の私達ができる「災害公営住宅の建設をともにすすめる会」への署名
をお願いします。


「加須ふれあいセンター」
http://kazofureai.com/





2012年12月11日火曜日

WHAT A HELL FUKUSHIMAの売り上げを寄付しました

2011年8月6日に急遽リリースした、反原発コンピレーションアルバム「WHAT A HELL FUKUSHIMA」
急な呼びかけに答えてくれた全国の28バンド。
またCDの流通では全国の仲間の協力があり、先月21日の時点で約800枚を売り上げ、当初からの予定であった「売り上げは全て南相馬へ直接持っていく」事ができました。そのご報告です。


WHAT A HELL FUKUSHIMAの2012年11月21日時点の売り上げ ¥915,857を含む¥1,000,000を、2012年11月28日 南相馬にある「特定非営利活動法人 さぽーとセンターぴあ」へ寄付致しました。

この「さぽーとセンターぴあ」を知ったのは今年2月にHRPが行ったマスク支援で事業所を訪れた時からでした。
同法人が運営する事業所は
・地域活動支援センター 自立研修所えんどう豆
・生活介護事業  デイさぽーとぴ~なっつ
・就労継続支援(B型・非雇用型)事業 ビーンズ
の三カ所。えんどう豆とビーンズでは最近、いろんなライブ会場で目にする、ひまわりの種が入った缶バッチを製作している所です。

原発事故により避難命令や屋内退避命令が出され、街から人が居なくなり、物流が止まり、福祉サービスもストップしている中、障害をもつ方々、高齢者が多く取り残されている現実を同法人理事長の青田さん達は目の前にし、その場に残り、事業所を開け、物資を運び入れ、またそれを配り、支援を続けたと聞きました。
その後も、国や県の判断を待たず事業所を再開させ、街に残る要支援者の調査を自主的に行なう等、HRPの活動原点である「実効性のある支援活動を行い、行政機関を突き動かして行けるような活動展開」ともリンクし、大変共感させられ、寄付する事に決めました。


寄付するにあたって11/28にぴ〜なっつを訪れ、青田さんと施設長の郡さんにお話を伺いました。

震災が起こった後、建物の被害が無かったぴ〜なっつを1週間で再開させる予定で居た矢先の福島第一原発の爆発。
「今すぐバスで避難、自分で避難、いつでも避難できる体制で街に残る、という選択を迫られました。職員はほとんど避難してしまったので事業所は閉じざるを得ない状況だった」と言います。
しかし、閑散とした街に残ったのは障害者、高齢者、またその家族が多く、ぴ〜なっつのもとへのSOSが絶えず、「避難するよりそちらが先」とすぐ避難できる環境を整え青田さん達は残ったそうです。
「顔を合わせる障害者の家族を見ていると、「大丈夫大丈夫」と口では言っていても、明らかに体や顔の傷が増えていたり、顔が疲れていたり…みんなストレスがたまってきているのがわかったんです。」
そこで国や県に再開できるよう交渉したが中々許可が下りない…しかし待ってはいられなかった青田さん達は「自己責任で」と事業所を再開させました。

福祉関係の団体から届けられる物資を、行政の「平等の原則」では届かない人達の元へと配る中で、「いったい障害を持った人はどれだけこの地に残っているのか?どこに居るのか?どんな状況なんだろう?」と思い、

市に「障害者手帳を持っている人全員を調査したい」と申し入れるが、様々な業務に追われ手一杯の市役所の職員達。
市長からは「市でやれる状況ではないから民間の力で安全を確認して頂きたい」
それならばと、市へ個人情報の開示を求め、他の福祉団体と協力して4月30日より一ヶ月半にも及ぶ訪問調査を始めたそうです。
「物資も一緒に持って訪れた先では、食べる物や、薬や、買いためてた物が底をついていたり、今までは隣近所の支えで生活が出来ていた重度の障害者も、原発事故のせいで突然みんなが避難したために、何も状況がわからないまま取り残されてしまっていた。『誰も来てくれなかったから一歩も動けなかった。』という人も多く居る事がわかり、そんな困難な状況の人達に必要な支援をしていきました。」

最近の状況に関しては
「これまでできていた地域生活ができなくなり最近(事業所へ)来た人も多いです。また仮説住宅から通う職員や、利用者も多いのですが、ストレスがたまり易く、これまで以上にメンタルのケアが必要になっています。PTSDの症状がみられる方もいます」

様々な場所や場面で依頼されては足を運んでこのようなお話をされている青田さん、郡さん。

青田さんは「ここで何があったか、残った人が声を出して繋げていかないとまた同じ事が起きるかもしれない。もしもこの話を聞いて繋がったから助かった、という人が出てくるかもしれないし、逆に繋がらず命を落とす人が出てくるかもしれない。一人でも二人でも話が繋がれば、またそれがさらに他の誰かに繋がっていけば、という想いがあるんです。」
また
「例えば事業所を、利用者を守るにはどうすれば良いでしょう?利用者の方々や、居宅介護を受ける方々に聞いてみて下さい。何かあったら誰が来てくれると思いますか?と。そうすると『ヘルパーさん』と答えます。そうです平常時に災害を想定した時は、従業員全員が駆けつけ支援にあたる、という想定をしますよね。でもよく考えてみて下さい。全員が駆けつけれると思いますか?まず子供の居るスタッフは来れないでしょう、自分の家族を守るか、事業所を利用者を守るか、どうでしょう?また公共交通機関、車を使って出勤していた人は動きたくても動けませんね。そうなると、近くに居る人、バイク、自転車を使って通える人しか来れない。いざとなった時に自分は駆けつけられるのか?それを普段から想定して考えてみる事がとても大切です」と自らの経験をもとに語ってくれました。

支援と平行して本来の事業の方もペースを戻し、現在三箇所ある事業所は元通り(びーんずに関しては倍増)の利用者状況まで戻っていますが、震災前の職員の方々は戻ってこれず、限られた職員での激務がまだまだ続いるそうです。
職員数の関係で、未だ夜の部が再開できないぴ〜なっつ。今後夜の部も再開して、原発事故により混乱してしまっている障害者、高齢者の方々の生活を支えていく。
微力でもこのCDの売り上げが力になれればと思います。


2012年11月22日木曜日

WHAT A HELL FUKUSHIMA 売上のご報告


Human Recovery Project発 反原発コンピレーションアルバム
「WHAT A HELL FUKUSHIMA」
の売り上げに関してのご報告です。

去年8月6日の発売から一年以上が経過し、とても多くの方々に聴いていただいております。
売上金の方もかなりまとまった額となってきたので、一度ご報告させて頂きます。

2012/11/21現在売り上げ金額の入金があった額と枚数です。

売上金額
¥915,857-
売上枚数
794枚

この売り上げ全額を含む金額を近日寄付する事が決まっています。
詳細に関しましては改めてこちらのBlogにて報告させて頂きます。

また、一年以上経過し、CDを購入し支援して頂いている方々から、売り上げや寄付先に関してのお問い合わせを頂いておりました。

ご報告が遅れてしまった事をお詫び申し上げます。

CDの販売にご協力頂いたディストロ、レコードショップ、バンドです
(順不同)
SENSELESS RECORDS(東京・八王子)
Record Shop BASE(東京・高円寺)
RECORD BOY(東京・高円寺)
UK EXTRA(東京・高円寺)
NAT Records(東京・新宿)
DISC SHOP MISERY(広島)
RECORD SHOP ANSWER(愛知・名古屋)
PUNK AND DESTROY(大阪)
toosmell records(東京・吉祥寺)
disc union(関東各地)
record KNOX(茨城・水戸)
SELECT SHOP Charlie(岐阜)
Irregular Rhythm Asylum(東京・新宿)
VOX POPULI(岡山・津山)
Delta Market(神奈川・横須賀)
Age Of Distress(京都)
Waterslide Records(東京)
K-CLUB(高知)
反骨商店 NEVER MIND(沖縄)
bar SIX(沖縄)
Lilmag(東京)
タコシェ(東京・中野)
素人の乱5号店(東京・高円寺)
模索舎(東京・新宿)
CHICK SALE(茨城・土浦)
中野MOONSTEP (東京・中野)
小岩bush bash (東京・小岩)
Acclaim Collective (東京)
sunday worst enemy distro (北海道・旭川)
仙台BIRD LAND(宮城・仙台)
HMV(一部店舗)
TOWER RECORD(一部店舗)
Encroached(東京)

and WHAT A HELL FUKUSHIMA 収録BAND

2012年3月28日水曜日

Human Recovery Project Presents Live and More



2011年3月11日 東日本大震災が発生してから約一年
緊急的支援の時期は脱し、復興の兆しは見えつつあるかもしれないが各被災地ではまだ様々な問題を抱えています。
そして再び災害が起きた時に活かさなければいけない教訓も沢山あります。
そこでHuman Recovery Projectとして我々が被災地で感じた事を音楽での表現や写真、映像を用いてのこれまでの活動報告、そして時間の経過と共に薄れさせてはいけない意識を共有出来るようなイベントを企画します。
HRP作成の資料を配布予定しています。
休めるスペースも確保する予定ですので是非来て頂ければと思います。

4/14(土)18:00~
吉祥寺GOK SOUND
1,000yen

PINPRICK PUNISHMENT
THE HAPPENING
ENCROACHED
UNARM
AVFALL
MIDDLE

2012年3月1日木曜日

南相馬の子供達へのマスク支給報告

先月24日をもって、南相馬市内の全ての幼稚園、保育園、小学校、中学校、自立支援施設へのマスク支給を完了しました。
このプランが立ち上がった時点で、福島在住の方を含め、多くの方から支援や協力の申し出がありました。
しかしながら、配布を急がねばならないという時期的な事情と、膨大な規模のプロジェクトであるにも関わらず、我々は少人数の限られた力量しか持たない集団であるが故に、現地に拠点を設け行動するのは困難であると判断し、都内にて仕分け配送作業を済ませ、自立支援施設や一部の幼稚園保育園を除き、各校に直接配送させていただきました。
多くの皆さんの協力の申し出については、今回、お気持ちをありがたく受け取らせていただきます。
またこのようなアクションを展開する際には、あらためてお力を貸していただきたいと思いますので、その際はよろしくお願いいたします。
今回送ったマスクについては、郵船商事株式会社(e-shizai.jp)様から全面的な協力をいただきました。限られた予算の中でこの膨大なプロジェクトを成し遂げられたのも、このような協力があってこその事です。
10歳以上の子供にはN99基準のマスクを用意。
10歳未満の子供については遮蔽性の強いものを常時着用するのは危険と判断し、N95基準相当のサージカルマスクを用意しました。












今回、各校に発送にするにあたって、事前仕分けについては郵船商事さんの倉庫内で作業をさせていただきました。
郵船商事の担当である滝沢さん自身も仕分け作業に協力していただき、大変作業がスムーズに進みました。本当にありがたい限りです。


←この仕分け用ネームタグも滝沢さんが用意してくれました。




中学生、小学校5,6年生向けマスク(FSC-F-99E) 1ケース1200枚(400セット) 1セット=3枚 配布詳細

学校名 学童数 支給枚数 必要パッケージ数
原町第一中学校 293 14650 12ケースと134セット(13ケース)
原町第二中学校 184 9200 7ケースと267セット(8ケース)
原町第三中学校 87 4350 3ケースと250セット(4ケース)
石神中学校 196 9800 8ケースと67セット(9ケース)
鹿島中学校 299 14950 12ケースと184セット(13ケース)
小高中学校 101 5050 4ケースと84セット(5ケース)
       
原町第一小学校 109 5450 4ケースと217セット
原町第二小学校 55 2750 2ケースと117セット
原町第三小学校 81 4050 3ケースと150セット
高平小学校 44 2200 1ケースと334セット
大甕小学校 39 1950 1ケースと250セット
太田小学校 30 1500 1ケースと100セット
石神第一小学校 32 1600 1ケースと134セット
石神第二小学校 76 3800 3ケースと67セット
鹿島小学校 91 4550 3ケースと317セット
真野小学校 18 900 300セット
八沢小学校 33 1650 1ケースと150セット
上真野小学校 40 2000 1ケースと267セット
小高小学校 33 1650 1ケースと150セット
福浦小学校 14 700 234セット
金房小学校 8 400 134セット
鳩原小学校 8 400 134セット
合計 93550枚 83ケース(99600枚)


幼児・小学校1〜4年生向けマスク(サージカル) 1ケース2400枚(800セット) 1セット=3枚 配布詳細

学校名 学童数 支給枚数 必要パッケージ数

     
原町第一小学校 187 9350 4ケース
原町第二小学校 106 5300 2ケースと167セット
原町第三小学校 134 6700 2ケースと634セット
高平小学校 36 1800 600セット
大甕小学校 56 2800 1ケースと134セット
太田小学校 31 1550 517セット
石神第一小学校 56 2800 1ケースと134セット
石神第二小学校 132 6600 2ケースと600セット
鹿島小学校 166 8300 3ケースと367セット
真野小学校 26 1300 434セット
八沢小学校 53 2650 1ケースと84セット
上真野小学校 74 3700 1ケースと434セット
小高小学校 50 2500 1ケースと34セット
福浦小学校 27 1350 450セット
金房小学校 20 1000 334セット
鳩原小学校 12 600 200セット
かしま保育園 145 7250 3ケースと17セット
かみまの保育園 47 2350 1ケース
原町聖愛保育園 48 2400 1ケース
北町保育所 36 1800 600セット
よつば保育園 72 3600 1ケースと400セット
よつば乳児西町園 15 750 250セット
鹿島幼稚園 99 4950 2ケースと50セット
上真野幼稚園 43 2150 1ケース
八沢幼稚園 45 2250 1ケース
青葉幼稚園 52 2600 1ケースと67セット
原町みなみ幼稚園 35 1750 584セット
さゆり幼稚園 16 800 267セット
大甕幼稚園 34 1700 567セット
高平幼稚園 22 1100 367セット

93750枚 43ケース
自立支援施設4箇所については年齢分布など人員状況が流動的だったため、現地に赴き直接確認して配布。
合計、約20万枚の膨大な量になりました。




マスクと一緒に生徒児童向けメッセージも同封しました。

尚、今回のアクションについては、市長室を通じて行政に受け入れていただき、南相馬市教育委員会から全ての教育施設に通達を出していただきました。
先月、教育委員会にも伺い、教育長に受け入れに対するお礼をすると共に、花粉を含む放射線粉塵からの防御のため、一定期間の着用を行政側から指導するよう、再度お願いしてきました。

また、配布先の各学校に対しても、念のため以下の通りの内容の文書をマスクパッケージに同封し、学校側からの指導を重ね重ねお願いしました。



「教育委員会よりお話しが行っているとは思いますが、私共からのささやかな支援としまして、南相馬市内の15歳以下の子供達にマスクを送らせていただきました。
各自51枚(17パッケージ)ずつ配布くださるよう、お願いいたします。

やや遅くなってしまいましたが、インフルエンザウイルスからの防御のため、活用していただければと思います。

そして今年は原子力発電所の事故により、念のため例年より花粉について警戒すべきと各種専門機関から声が上がっているようですので、花粉の飛散期間中いっぱいは着用するようご指導いただければ幸いです。

では、ご面倒とは思いますが、個別配布と着用指導の方、よろしくお願いいたします。」


何故今回マスク支援に踏み出すかに至った経緯について説明しなければなりません。
我々に寄せられている支援カンパの半数強が反原発関連から寄せられています。
被災地の復旧・復興に向けての想いと、原子力発電を無くしたいという想いの二つに応えるために、原発災害被災地域に於いて最も憂慮される子供の内部被曝からの防御支援という方向に至りました。
専門家からは意見の分かれるところですが、今年の花粉については放射能の影響を警戒すべきであるという声もあります。
また、つい先頃テレビでも取り上げられた通り、高放射性物質の粉塵が見つかるなど、住民の不安は高まっています。
しかしながら、国の対応が曖昧であるばかりに、多くの自治体は放射能対策に手を拱いており、住民に対して具体的な対策を打ち出せないのが現状です。そういった背景を受けて、一部地域では子供達がマスクを付けにくい状況(虐められる、臆病者扱いされるなど)もあるという話も伝わってきています。
そのような状況下に於いて、ただマスクを配るだけというのでは、根本的な解決にはなりません。
以前から宣言している通り、我々は行政の「尻ぬぐい」を買って出たり「上から施しを与える」などの余裕はありません。
マスクがあっても付けにくいという状況を打破する事。
即ち、行政からきちんと通達が出て、学校を通じて全ての生徒児童にマスク装着を指導し「汚染物質からの防御の日常化」といった環境を作り出す事が最大の目的でした。
汚染物質からの物理的な防御効果にも期待したいのですが、そういった健康被害の不安を抱えていた子供や保護者の方のメンタル的な緩和に少しでも寄与できればというのが一番の思いです。

そして一方で、南相馬市に向けられた、風評とも言える非常に誤った認識を払拭していただきたいという事も訴えたいのです。
ご存じの通り、南相馬市は現在でも一部地域が立ち入り制限、若しくは居住制限されている地帯があります。
情報が錯綜し正確な実態が伝えられないが為に、未だにまるで市全体が酷く汚染されているかのように思い込まれている方も決して少なくは無いようですが、南相馬の殆どの地域に於いて空間線量は東京近郊東部地域と同レベルです。
千葉県柏市では高いところで0.24μSv/hを我々も計測していますが、南相馬の中心地原町でも高くてもこの程度のレベルで、現在では居住地域の多くで0.2μSv/hを下回っています。
学校や幼稚園保育園に普通に子供が通っているだけでなく、普通にコンビニやファミレスも営業しています。
この動画をご覧ください。国道沿いの町並みは、埼玉や千葉あたりと変わりませんよ。あたりまえの暮らしがここにもちゃんと存在しているのです。


一方で、幼稚園の軒先にも放射線量計が設置されるなど、関東近郊では決して見る事の出来ない、非常にシビアな対策も南相馬市では行われています。

この線量は何も福島まで行かなくとも、関東近郊東部に足を運べば日常的に計測できるレベルです。しかしながら、子供の内部被曝を防ぐために、ホットスポットやマイクロスポットへの警戒を怠るわけにはいかないのが実情です。
また、警戒区域周辺や津波被害区域に於いては、依然として厳しい生活を強いられている方もいらっしゃいます。

マスク支援を受けて、各学校や個人様からのお便りが続々届いています。
原町の保育園から届いた、その一部を紹介します。
「震災から1年になろうとしていますが、放射性物質による汚染は、子供達の生活を一変させました。
散歩などが全く出来ず、園でも戸外活動を制限させざるを得ない状況です。現在はマスクをつけて30分以内の園庭での遊びのみをしています。しかし、土や小枝、小石、草花等は一切触らせていません。それでも外での遊びを喜び、食欲もわくようです。
厳しい環境は続きますが、この遊びは、続けて提供できるよう工夫していきたいと考えています。」

都心近郊の大都市と大して変わらない放射線環境でありながら、原発との距離が近いために常に被曝リスクを警戒しなければならない。
マスクを付けて外で遊べるようになっても、土にすら触れないなんて・・・
支援を喜んでいただいたのに、なんともやりきれない気持ちです。

我々のマスク支援は、こんな小さな集団が一自治体の行政を動かしたという面に於いて、それなりの意味があったと思います。
他の自治体で頑張っている方々からも、良き前例として励みになるというお言葉もいただきました。
これで満足せずに更に多くの自治体、そして県や国へと拡散していけるよう、多くの皆さんとの更なる協力関係を築いていきたいと考えます。

そして、なによりも国による原子力政策の曖昧さが全ての元凶であるのは明らかです。

被災地域における実効的かつ有効な放射能対策を直ちに施行するには、原子力発電からの撤退という明確な方針が何よりも必要です。
被災地への支援の継続と共に、都内に住む我々は今後とも断固として国に原発即時全廃を求めていきます。

我々が呼びかけるアクションにできるだけ足を運んください。
そして、引き続き圧倒的なカンパをお願いいたします。

これからも皆様の力が必要です。よろしくお願いいたします。

Human Recovery Project 穴水正彦

2012年2月11日土曜日

南相馬の子供達へのマスク支給行動 協力のお願い

南相馬の子供達へのマスク支給行動 協力のお願い

※南相馬現地にて仕分け、配布作業に協力してくれる方と支援カンパを募集しています。


南相馬市へ送った協力要請趣旨
 
震災直後の3月29日以降、南相馬の地に於いても私達は僅かながらの支援を行って参りました。あれから1年が経とうという現在、周辺地域に甚大な被害をもたらした福島第一原発の事故状況について、政府が「収束した」と宣言する一方、未だ明日をも知れずあてのない避難生活を強いられている方が多数いらっしゃいます。また、外部被曝の心配はなく避難を免れた地域の方に於いても、原発事故起因による汚染を懸念しながら常に警戒感を抱き生活しなければならないという状況にあるという点に於いて、抱える苦悩は、避難を強いられておられる方々と大きな差は無いのではと考えております。

南相馬におかれましては、計画的避難区域以外の地域に於いては現在、空間線量は関東東部地域とさして変わらない程度のものであるにも関わらず、不透明な原子力発電所事故処理状況、政府による具体的な復旧・復興施策の遅れ、そして根拠のない風評などによって、市長をはじめ市職員の皆様は、非常に大変な行政運営を強いられているのではないかと御察しいたします。
そのような厳しい状況下におかれましても、復興に向けて逞しく邁進しておられます住民の方々に対し、都内に住む私共はどのようなお手伝いが出来るのか苦慮を重ねて参りました。
ご存じとは思いますが、私共は被災地を支援してきた経験を以て、国による原子力政策に対し、明確にその方針転換を求める立場にあります。その部分におきましては、明確に脱原発を掲げる桜井市長とは方向性は一致しています。
しかしながら、住民レベルにおきましては、被災地域においてもこの問題については議論が分かれているようです。これ以上の地域コミュニティーの瓦解を招かぬよう、この問題につきましては私共もこれまで被災地域には持ち込まぬよう配慮してきましたが、自然界にある放射線量を上回る物質が未だ広範囲に堆積しているという事実は変わりません。

まもなく、花粉の大量飛散が始まる時期がやってきます。ご存じの通り、今年の原発被害地域における花粉は放射性物質を含有する可能性が指摘され、多くの専門学者から内部被曝の危険性が懸念されています。
この問題における科学的検証は即座に判断できるものではありませんが、健康被害におきましては様々な形で一定の年月を経て現るであろうことが、数少ない過去の事例から推測されております。
原子力発電所のあり方や放射能による健康被害の信憑性の是非を問わず、原発周辺地域の方々は皆、何かしらの不安を抱えていらっしゃる事でしょう。特にお子さんにつきましては少しでも有効な防御策をと全ての親御さんがお考えのことと思います。
今回私共が支援として提案したいのは、そういった不安を少しでも払拭していただけるよう、国際基準に沿った高機能マスクを中学生以下の子供達に無償で支給しようというものです。
 
これらを自費購入するとなると1枚あたり200円〜800円程の高額な出費となり、躊躇されている方も多いのではないでしょうか。これを私共が提供させていただくことによって、少しでも個人負担を軽減し、健康不安を和らげることが出来ればとの思いで考案いたしました。
高機能マスクの着用は、放射性物質を含有した花粉や浮遊物から身を守るという概念を置いておいても、毎年この季節に問題となるインフルエンザウイルスやアレルギー症状を引き起こす花粉からの防御ということで、平時であっても大変有効なものです。

私共は、この震災を機に集まった数名の仲間による集まりなので、この程度のささやかな支援しか出来ませんが、我々の限られた力量でも少しでも有効な支援をということで今回考案させていただきました。以下、具体的な実行方法につきまして記述しますので、ご照査いただき前向きに受け入れていただければ幸いに存じます。


目的

1.アレルギー対策としての花粉吸引防止、インフルエンザウイルスの防御といった、健康・医療的な支援。
2.放射性花粉や浮遊物に対し、実効性のある防御用具を装着することによって、不安心理を緩和するメンタル的な支援。


南相馬市の受け入れ状況

市長室を通じて、我々の支援協力申し出を受け入れていただき、南相馬市教育委員会事務局 教育総務課が担当課所となっています。
担当:新 妻 良 司 様  TEL:0244-24-5282 FAX:0244-23-7782  

マスクの仕入れ概要

購入予算については全てHumanRecoveryProjectが捻出し、現物を南相馬市に寄贈します。
現在決まっている仕入れ先は郵船商事株式会社。こちらの会社は電力会社にも納品しており、機能有効性については一定の信頼性あり。

南相馬市の子供(15歳以下)居住状況

小5~中3が1871人。4,5歳児(園児)と小学校1,2,3,4年生が1,544人。1~3歳児が650名程(うち通園者237名)

障がいをもつ子供の状況
南相馬市役所 社会福祉課 障がい福祉係が担当課所となっています。  TEL: 0244-24-5241 
担当:藤原様からいただいた資料によると、現在私どもで確認のできている開所中の施設が南相馬市内で8ヶ所/197人,相馬市内で3ヶ所/68人。
詳しい年齢別人数等・開所予定の施設状況についてはH.R.P.が連絡・調査を進めています。

以上、15歳以下の全ての子供に、1人あたり50枚支給します。


マスクの概要

小学校高学年以上については以下のマスクを支給するものとします。

FSC-F-99Eマスク
■アメリカ合衆国基準N95、N99とヨーロッパ規格(FFP2)に二つの国際基準に合格
■使い捨てない。繰り返し30回使用可能。
■4層特許構造(N99)でウイルス、細菌、花粉をほぼ完全に防止。
※市販価格:1枚あたり約200円

小学校中学年以下の子供には別途サイズのものを検討。それもN95規格相当のものとします。

資料画像











支給方法

1.市内の保育園、幼稚園、小学校、中学校に配布。これらの配布作業についてはHumanRecoverProjectが全て受けもちます。
2.配布前の仕分け作業もHumanRecoveryProjectが受けもちます。
3.未就学児童、乳幼児については、市の担当窓口に引き取りに来ていただく形で対応を要請中。
4.各配布先については南相馬市教育委員会から、マスク配布の旨を通達してもらいます。
5.花粉飛散ピーク期間を基準として1人あたり50枚を配布します。

支給時期

2月13〜24日を予定。

保管・資材管理等について

2/11現在、10壺ほどの保管スペースを市側から譲っていただいております。荷下ろし作業、到着後の品物管理等についてはHumanRcoveryProjectが受けもちます。



市民への告知等について

市広報での告知を要請中。
新聞の折り込みチラシや地域FMでの呼びかけも検討中。



その他
児童施設や仮設の集会場などで、漫画家の山本夜羽音氏が主宰する子供支援のグループおたぱっくと協力し、子供向けのキャンペーンイベントを展開予定。

被災現地に於いては、意見の分かれる「原書力発電所の是非」や「放射能の健康被害」について、私共の方から何かしら意見を持ち込んだり、地域の方々にこちらから意見を求めたりするようなことは、地域住民の関係性に配慮し、厳に慎んでください。
今回の支援はあくまで、被災地域の子供達の健康を支える、医療・福祉的支援として位置付けております。


以上、ご理解いただき、なにとぞご協力の程、よろしくお願いいたします。


カンパの振込先:
城南信用金庫 高円寺支店 普通 327580 ヒユ-マンリカバリ-プロジエクト

メール:
hrp.diymusic@gmail.com

2012年1月30日月曜日

避難に関するアンケート

今後の有効的な支援活動を模索する為に、原発事故に伴う被害による避難についてのアンケート調査を行っています。
差し支えの無い範囲で構いませんのでご協力ください。